奈良県立図書情報館 戦争体験文庫
昨日、奈良県立図書情報館を日帰りで訪れた。
今回も「戦争体験文庫」の文献探しが目的である。もう何度も来ているが、写真がなかったので撮ってみた。暖かい日だった。月末には向かいの佐保川の桜も咲き始めるだろう。
駐車場が周りよりずいぶん低いな、といつも思っていたので調べてみると、もともとは灌漑用ため池のあったところらしい。小・中学校、住宅地に囲まれ、東には佐保川が流れる。とても静かな環境にあり、この近くに引っ越したいくらいである。
移転してくる前の奈良県立図書館は今の奈良文化会館にあり、その前身は日露戦争後に開設された「奈良県立戦捷紀念図書館」(1909年開館)で、奈良公園(興福寺境内)にあったが、今は大和郡山市の郡山城内に移築されて城址会館となっている。
戦争体験文庫は、戦後50年を機に資料を集め、図書館内に設けられた。全国の公立図書館でこれだけの資料蒐集をしたのはこの文庫だけであろう。夥しい数の戦友会誌、全国の戦争体験者の手記や手作りの小冊子がある。父の所属していた船舶工兵連隊の戦友会誌も寄贈されている(戦捷紀念図書館時代にも、日露戦争の戦病死者の遺品などが展示されていたとのこと)。
ここにある彼らが遺したものをどう引き継ぐかは、その後ろ姿を見送った子や孫の世代に関わる。それは今の自分にとっても大切な課題になっているが、ここに足を運び、その資料を手にして著者と対話することだけでも大きな意味があると思っている。
ちなみに今回主に閲覧し、一部分を複写した文献。
○「戦前船舶 第102号」 戦前船舶研究会編集部 2000年
○「㋹の戦史」 陸軍水上特攻隊の記録(改訂・増補版) 平成19年(旧版昭和47年)
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