深川図書館
遠出したとき、その町にある図書館や博物館(史・資料館)を訪れることが多い。ほとんどの図書館には郷土史コーナーがあり、1時間もあればその町の歴史や地理のあらましを知ることができる。先日の深川で歩いたコースには「深川江戸資料館」、「深川図書館」があり、短い時間ではあったけれど立ち寄ることができた。
深川江戸資料館では、当時の「作り物」よりも、企画展示の「時代小説と深川」が印象に残る。平岩弓枝、藤沢周平、池波正太郎、松本清張、宮部みゆき・・・、今歩いてきた周辺がそのまま小説の舞台なのだと思うと、まだ読んでいない物語に興味が湧いてくる。
児童公園(清澄庭園)の隣に深川図書館があり、少しの時間立ち寄った。実は「郷土資料室」だけはどうしても見たかったけれども、入るには登録手続などが必要と知って、時間もないので断念。もう少し余裕があればよかった。
館内は自分の理想とする図書館のスペースに近いし、階段にはステンドグラスの光が差し込み、落ち着いた雰囲気。ここなら毎日でも通いたくなってしまう。最近新しくつくられる図書館は、どこも明るく開放的で、多目的を誇示するところが多くなっているが、自分にとって理想的な図書館とはほど遠く、がっかりすることが多い。
今の建物は昭和初期のものだが、明治以来、震災や空襲を乗り越えてきた長い歴史をもつ図書館である。利用者も含め、この図書館を大切に支え守ってこられた多くの人々の地道な努力を感じることができる。