「蓮弁の蛙」再び
深川の芭蕉旧跡を巡ったとき、臨川寺で見た雨受けの「蓮弁の蛙」のことが今も頭から離れない。できあがるまでの過程は、制作者(流鏑馬千紘さん)のブログに公開されている。これ以外にも、千紘さんは蛙をテーマにした作品をつくっておられるようだ。
その設計図をよく見ると、雨水を受ける内側(蛙の反対側)に、「オタマジャクシ」も据えてあった。雨水のなかで泳いでいるオタマを、ベランダにいる人だけが見ることができるらしい。
蓮と蛙のことを考えていたら、心は奈良へと向かっていた。
奈良「唐招提寺」は自分にとって大切な寺院のひとつ。
お寺が参拝客の数を増やすために、過度な工夫をしている様子を見ると、がっかりすることがあるが、唐招提寺だけはどこか超然としたところがあって、いつ訪れても心が安まる。余計な説明板も、派手な幟が乱立しているような猥雑さもない。うまく説明出来ないけれども、寺内を歩くだけで身も心も清々しくなり、生き返ったような気分にさせる。その清浄さを特に感じるのが夏である。
蓮の花だけを見るのであれば、他のお寺に出かけた方がいいのだろうが、唐招提寺の蓮に出会うことは、自分にとって特別幸せなことなのである。
奈良の夏を主題にした下の映像には、唐招提寺と蓮の花、そしてなんと「蓮弁の蛙」も登場する。映像に出てくる幾つもの寺社や風景は、夏の季節なのに、あくまでも爽やかで瑞々しい。
☆奈良で活躍されている映像作家保山耕一さんの作品。
曲は久石譲の Summer。
(1:30~唐招提寺、2:28~「蓮弁の蛙」)
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