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2019年2月27日 (水)

大縣神社と春の便り

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              大縣神社 梅園 (しだれ梅 Feb./2019)

見ぬ人によそへて見つる梅の花
    散りなむのちのなぐさめぞなき  

                 権中納言定頼 [新古今48]

犬山の「大縣神社」にある梅園に立ち寄った。
神社の詳しい由来は省くが、近くには大きな古墳もあって古代尾張国の成り立ちに関わりのある社らしい。摂社「姫之宮」は玉姫命を祀り、豊年祭「於祖々祭(おそそ祭)」が毎年3月におこなわれる。
同様の祭として知られる小牧市の「田縣神社」とともに奇祭として海外にも知られ、近ごろはどちらの祭も外国の人たちで賑わっている。ふたつの祭は、その生々しさに少々たじろぐけれど、集うひとたちの底抜けの明るさに圧倒され、しだいに気恥ずかしさといったものを忘れさせる。

境内を歩きながら「縁結び祈願」の文字に目がとまり、もう「天命を知る」年齢をこえた或る知人のことが頭を過ぎった。今年こそ良縁に巡り会ってほしいなあと思い、姫之宮の奥にある「姫石」に一礼。ここは良縁・子宝祈願のひとたちの祈りの場になっている。

境内の奥にある梅園は「しだれ梅」だけが植えられていて、個人だけでなく太宰府天満宮、湯島天神などの白梅も献木されている。白梅はまだ蕾が多く、見頃は来週ぐらいかもしれない。梅園を一巡りしながら、しだれ梅のためもあってか目の高さでゆっくり梅を見つめることができた。開いた花よりも、小さな蕾が愛らしく、開きかけの薔薇のような花びらにも心惹かれる。

さて、神社から帰宅してびっくり。ポストを見ると、なんとあの知人からの葉書。先月末に入籍したとのこと。数時間前に祈っていたばかりだったので、願いが通じたのかもしれないという、いつにない心の高まりを抑えられなかった。

 私たち、結婚しました。
 この感激をいつまでも心に刻み、共に敬い、
 いつの日も思いやりを忘れず、
 新たな人生をふたりで歩んでいきたいと思います。

葉書の背景は、梅の花の図柄でいっぱい彩られていた。
春が来たんだね。ほんとうにおめでとう。

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