シロカニペ ランラン(1)
ペルセウス座 二重星団( h+χ )拡大可
プリント写真をスキャナーで取り込んだもの
撮影:1997年1月11日 撮影場所:岐阜県東白川村
赤道儀:EM-200、カメラ:Nikon FE
フィルム:Fujicolor G-400 、レンズ/露出時間等不明
きのう本の整理をしていたとき、或る文庫本のなかほどに1枚の写真が挿んであった。写真の裏に、「1997年1月 東白川村にて 二重星団(h+χ)」とメモしてある。ときどき写真を栞代わりにすることはあるが、これが本の栞になったのは、それなりのわけがあってのこと。
文庫本は『アイヌ神謡集』(知里幸惠 編訳 岩波文庫 1978年)。
このブログを始めた4年前、鈴木壽壽子さんの随筆集『星のふるさと』(誠文堂新光社 1975年)のことにすこし触れた(→★)。[鈴木さんについては、こちら→★を]
この本との出会いは20歳代のはじめだった。半年ほどして本は知人に貸したのだが、不思議なことにそのひととともに行く方知れずになってしまった。ところがそんなことも忘れかけていたちょうど5年前、この本がたまたま地元の大学図書館にあることを「発見」し借りることができて、まるで宝物を運ぶようにして家に持ち帰ったのだった(今もこの本は絶版のままで、古書店にも見当たらない)。
『星のふるさと』に「銀のしずく 金のしずく」と題された一文がある。
「もしも、国語の教科書に『北の人』(金田一京助著)から抜粋された小篇が載っていなかったら、ユーカラの世界のすばらしさを、知らずにすごしたことだろう」と書き出している。
教科書では物足りない彼女は、『北の人』の文庫本を手にいれ、『アイヌ神謡集』の編訳者知里幸惠さんを知り、弟の真志保さんのことも「まだ少年の姿に読んだ」。
そして四半世紀を経たある日、書店の棚の上に『ユーカラ鑑賞』の著者知里真志保博士の名を見る。「なつかしい『北の人』のお形見に思え」た彼女は「使い帰りの持ち合わせをその本にかえて帰った」のだった。
(続きは年明けに。皆様よいお年を)
| 固定リンク
「読書日記・図書館」カテゴリの記事
- おんな紋(2021.12.21)
- シロカニペ ランラン(2)(2021.01.10)
コメント