本の中にしかない味
きのう買い物ついでに本屋に立ち寄った。
月の替わり目でもあり、文庫の新刊を眺めていると、『私的読食録』(堀江敏幸・角田光代 新潮文庫)があった。平成27年版の文庫化で、もともと食べ物雑誌の連載だという。
まずは角田の担当した回の幾つかをベッドのなかで一気に読み通した。題材にされた本のなかでは、たとえば開高健 『最後の晩餐』、檀一雄 『火宅の人』、バーネット 『小公女』、志賀直哉 『小僧の神様』、織田作之助 『夫婦善哉』、中川李枝子/大村百合子 『ぐりとぐら』などが印象に残る。高校時代に読んだり、子どもに贈った本もあって、あらためて再読してみたくなる。
「本の中にしかない味」の意味を考えながら閉じたが、眠りに入る手前で、温め直した「安永餅」(桑名)の姿が瞼に浮かび、無性に食べたくなってしまった。
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