さくら餅
さくら餅仏間を通りぬけにけり 桂信子
木曽川沿いの「フラワーパーク江南」(*)へ時折足を運ぶ。
前回は3月初旬。先週の土曜、休日は初めてのことで、ひとが多くてびっくりして短時間で帰って来た。
桜の木の前で写真を撮っていると、年配のご婦人おふたりが側に立ち止まり、木に貼ってあるプレートを見ながら、
「オオシマザクラなのね」「桜餅の葉っぱよ。桜餅、そう餅桜よ・・・」
などの会話が耳に入ってきた。
帰り道、頭の中は「さくら餅」の色艶で染まり、伊勢『赤福』の朔日餅「さくら餅」を食べたときのことを思い出した。たしか二枚の葉でしっかり包まれていたような覚えがあり、勤めていた職場の誰かがふるまってくれたものだった。もちろん道明寺。
関西に住んだ彼女のことだから、仏間をスルーしてしまった「さくら餅」も、ひょっとしたらあの朔日餅だったかもしれない。
24/Apr./2021
(*)正式には江南花卉園芸公園。
13カ所ある国営木曽三川公園のひとつ。
桜の木は多くないが、樹齢135年の「江戸彼岸」が残っている。
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