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2021年9月 7日 (火)

行き合ひの空

季節は晩夏と初秋のあわい。
東では10月並の低温が続いている所もあるらしい。
今日富士山で初冠雪、乗鞍岳畳平からは初霜・初氷の便り。

久しぶりに実家の掃除へ行き、家の中の空気を入れ替えた。南側の部屋から景色を眺めると、家々の屋根近くをツバメが飛び交っている。彼らが南国へ旅立つ日も近いかもしれない。
遠くの山々に雲の峰はあるが、盛夏の勢いはもうない。その一方、見上げる高い空は澄みきっていて、さば雲やひつじ雲らしき秋の雲が陣取り、低いところをちぎれ雲がサラサラと流れたり、消えたりしていた。
まさしく行き合(交)ひの空なり。

 9月7日正午岐阜市にて
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夏衣かたへ涼しくなりぬなり夜やふけぬらむ行合ひの空 慈円
 
備忘録(すぐ忘れるので):
この慈円の歌の本歌は「古今和歌集」夏歌の最後にある躬恒の
夏と秋とゆきかふ空のかよひぢはかたへ涼しき風や吹くらむ 
であり、すぐ続いて秋歌冒頭に藤原敏行の

秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる 
があって、ある意味劇的な配置となっている。

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