母の百日紅
母の実家は数十年前に隣家の手に渡り、今は倉庫代わりになっていて人は住んでいない。
小学生の頃、夏休みや冬休みの半分近くをそこで過ごしたが、今思えばなぜそんなに長い間母は実家に帰っていたのだろうと不思議でならない。もちろん祖父母の農作業を手伝ったりはしていたのだが、それだけが理由であったとは思えない。
下は母が亡くなった一昨年、8月に立ち寄ったときの写真。山々からヒグラシの大合唱が聞こえるなか、実家の庭になつかしい百日紅が咲いていた。母がずいぶん好きだった木で、昭和の初めから植えられていたそうだが、今咲いている百日紅は2代目かもしれない。まだ幼い頃、「サルスベリ」という木の名を最初に教えてくれたのは、まちがいなく母であったと思う。
次に訪れたとき、挿し木用に枝を分けてもらうつもりだ。
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