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2022年3月

2022年3月31日 (木)

Bee pollen

散歩をしていたら、菜の花畑で子どもたちが何やらワイワイやっていた。ミツバチがたくさん集まっていたためらしい。何枚か撮ってみたが、現場ではミツバチがどんなふうに写ったか細かいところまではわからなかった。
自宅で写真を拡大してみると、どのミツバチも頭からお尻まで全身花粉まみれになって働いている様子が記録されていた。

花粉をどうやって後脚に丸めるのだろうと不思議に思い調べてみると、全身に付いた花粉は脚を器用に動かして後脚の「花粉かご」に集められだんご状にするという、まさに職人技だった(NHK教材番組がとても面白い→★)。

主食の蜜、副菜の花粉、特別食のローヤルゼリー、さらに花粉と蜜を混ぜた蜂パンを貯蔵するなど、ミツバチのパントリーは美味しそうなものでいっぱいらしい。花粉だんご(ビー・ポーレン)は店で最近よく見かけるけれどまだ食べたことはないが、やはり
それより焼きたてのコーンブレッドにハチミツ・・・
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 SS:1/1250~1/2000

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2022年3月28日 (月)

命なりけり

春ごとに花のさかりはありなめど
     あひ見むことは命なりけり
よみ人しらず 『古今和歌集』春歌下 九七

きのう日曜日、淡墨桜(↓)は散りはじめているのに、自宅近くの桜は、ようやくちらりほらり。
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2022年3月26日 (土)

Stephanie Jones

石の如く犬眠りをり春嵐     内藤吐天(→★

昼前から強い雨。
ときおり春疾風も。ひねもす家に籠もる。

つい最近、ギタリスト Stephanie Jones を知った。オーストラリア出身で今はドイツで活動しているらしい。
下に埋め込んだ彼女が弾く YESTERDAY は、
武満徹編曲「ギターのための12の歌」の中にあり、それは大むかしに岐阜出身の荘村清志のレコードで何度も聴いていた曲だった。母が彼の演奏するこの曲を特に好んでいた理由は、武満の味付けを気に入っていたからだろう。

彼女なりに工夫・アレンジされた箇所(harmonicsなど)もあるけれど、武満の描こうとした色合いや意図を尊重しながら、とても丁寧に演奏している。
バランスの良い安定した演奏の秘密は、たぶん右手・指のもつ驚異的なしなやかさ、力強さにあるのだと思う。しかも使われているクロスオーバー・ギターや録音技術も秀逸だ。
懐かしいが、新しいのである。他の演奏家によるものとは一線を画す名演(祖母の誕生日に合わせて録音したという)。
以下、彼女のチャンネルから。

   YESTERDAY
   as arranged by TORU TAKEMITSU

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2022年3月21日 (月)

淡墨桜

犬山成田山に「淡墨桜(薄住桜)」(うすずみ桜・エドヒガン)のネームプレートが付いた桜があります。いつごろ植えられたのかは知らないのですが、岐阜県本巣市の根尾にある「日本三大巨桜」のひとつ「根尾谷淡墨桜」(樹齢1500年超)の子孫だと思います。

まだ満開ではないですが、その淡墨桜が先週から咲き始めていましたので、今日(21日)、朝と夕方に城と伊吹山を背景に撮ってみました。昼過ぎには薄雲が広がり、次第に雲が厚くなってきて空は焼けないままで残念でしたが、むしろこの眺めが春らしい暮色なのかも、と。

10:33/21/Mar./2022
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17:46/21/Mar./2022
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☆去年のタイトルバナー(19/Mar./2021)
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2022年3月16日 (水)

Ayako Shirasaki

何度も雪が降り、伊吹おろしが身に染む寒い冬でした。ブログのタイトルバナー(↓)も雪の景色のまま長い間全く変えなかったので今日新調しました。
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新調したといってもいつもの定点観測地からの夕景。彼岸前後は夕日が城近くに落ちるようになってきます。
下はタイトルバナーの縮小版。17時50分ごろの夕日。岐阜基地の飛行機が訓練中。
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桜も来週の半ばには城を飾るかもしれません。

  ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

このところNY在住ジャズピアニスト白崎彩子さんの演奏を毎日のように聴いています。惜しくも昨年11月に旅立たれた(→★)のですが、病がわかってから精力的に演奏動画をUPされていました。
なかに、ジャズアレンジされた玉置浩二の曲が4曲あったのが意外でした。何か心に感じるものがあったからなのでしょう。「メロディー」「恋の予感」「行かないで」「Friend」。どれも旅立ちの4か月前、2021年7月の演奏です。2曲だけ埋め込んでおきます。
チャンネルURL:
Ayako Shirasaki Jazz Pianist 
https://www.youtube.com/c/AyakoShirasakiJazzPianist/videos



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2022年3月12日 (土)

浅草田圃酉の町詣(3)

(承前)絵の出典は(1)と同じ。
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京町の猫通ひけり揚屋町 其角

むかしこの絵を初めて見たとき、部屋のある建物はかなりの高さがあるように感じた。はたして何階建ての家なのだろうかと不思議に思ったのである。眼下の家の見え方からすると、二階屋からの眺めにしては視点が高すぎるし、当時、三・四階建ての家があったと考えることにはやはり無理があるからだ。けれども以来その疑問を思い出すことがなかったのは、この絵に感じる叙情性や物語性の方に心が強く奪われていたからかもしれない。

ところが二年ほど前、新吉原造成のときに
尾張(知多)の人々(陰陽師や黒鍬衆)が深く関わったことについて書かれた或る本を知人が貸してくれたのである(※1)。関連する他の書籍など(※2、※3)も合わせてみると、新吉原の土地はもともと微高地であったらしく、それをさらに造成して周囲よりかなり高い場所にしたらしいのである。だから二階屋であっても、おそらく絵のような高みからの眺めはありうるのであり、決して不思議なことではなかったのである。
加えて興味深いことに(※1)によると、知多衆が関係したのは土地造成だけでなく、移転当初の「揚屋」の多くが尾張知多の出身者たちによって運営されていたらしいことなど、地元尾張の人々と新吉原との今まで全く知らなかった深い縁について考えさせられることが多かった。

いややはりそんなことよりも、この絵を見るたびにどうしても頭を過るのは、樋口一葉の『たけくらべ』の話、あの酉の市の日を境に変貌した美登利の姿なのである。

参考:
(※1)『吉原はこうしてつくられた』
           西まさる 2018 新葉館出版
(※2)『広重の浮世絵と地形で読み解く江戸の秘密』
           竹村公太郎 2021年 集英社
(※3)「吉原遊郭地業についての基礎研究」
           小柳美樹 2021年 
            淑徳大学人文学部研究論集第6号
(※4)『吉原という異界』
      塩見鮮一郎 2015年 河出文庫
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余談:この絵の鑑賞者が見ている絵の中心の方角は、富士の位置からして南西方向である。つまりここは遊郭の西端(正確には南西の端)になるから、この妓楼(あるいは見世)があるのは其角の句にある当時の京町一丁目か二丁目かもしれない。さらに気になるのは、部屋から見下ろした先にある五軒ほどの家のことである。吉原の周囲は田畑だからそれらが百姓屋とみることもできるが、実はそうではなく、この妓楼が京町に在ると仮定するならば、「江戸切絵図」(→★)や「新吉原之図」(→★)にあるとおり、これらの家々の子細を推断することは容易なことのように思える(※4)。もちろんこれが京町からの眺めだという確証があるわけではない。ただ、この絵の幾つかの解説書を見ても、眼下の家々のことに触れたものは皆無であった。

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2022年3月 2日 (水)

浅草田圃酉の町詣(2)

(承前)
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*「復刻版」を手に入れ、触れてみてはじめてわかったこと。

彫りの技法について。
どの解説書を見ても、白猫の部分には「きめ出し」という摺りの技法が使われていると書かれている。持っている復刻版も忠実にそれを再現しており、猫を指でなぞると確かに体(猫背など)に膨らみがある。
さらに他の箇所はどうなのだろうと思い、絵全体をなぞってみると、実は猫と同じように表面が僅かに膨らんでいる箇所が幾つもある。
浮き出ているのは白の部分、たとえば障子の紙、腰紙のふくら雀、手拭い(白い部分)、そして屏風にほとんど隠されている御事紙(枕紙)、四本の熊手簪(かんざし)の白い包みである。少なくとも絵の白い部分(色の無い部分)がほとんど表に浮き出ているのである。たぶん色付けをしない部分の彫りが他よりやや深いために凹凸が出ているのだと思うが、版画の工程上しぜんにそうなるものなのか意図してそうしたものなのか、もちろん素人の自分にはわからない。

さらに「雲母摺り(きらずり)」のことである。これなどはたぶん実物を見なければわからないことだろうと思う。窓下の「ふくら雀」が描かれている紺色の腰紙部分が所々光って見えるが、それはたいていの
解説書に書いてある。しかしこの復刻版では、さらに左側にある屏風の裏紙(鳥襷文様?)にも部分的に雲母摺りがしてあった。他にも、空の色の濃淡などは「一文字ぼかし」で表現している。

次回は、この絵について昔から抱いていた疑問について記す。

(次回に続く)

*錦絵の出典は前回の記事と同じ。
 絵の下半分程度を切りとっている
国立国会図書館「錦絵でたのしむ江戸の名所」 

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