« ミニベロ | トップページ | 岐阜空襲のB29搭乗員 »

2023年8月11日 (金)

鶴仙渓

絶え絶えに温泉の古道や苔の花  大島蓼太  *温泉(ゆ)

先週のこと、『おくのほそ道』を辿ろうと思って小松市、加賀市、福井市を巡った。この春には新潟へも足を運んでいるので、ひとまず北陸の芭蕉の足跡は金沢市内を除いてほぼ辿ったことになる。
もちろん今回も気楽なひとり旅。
まずは山中温泉の「鶴仙渓」を歩いた印象記。

『おくのほそ道』の芭蕉は、金沢を経て小松に赴き、その後「山中の温泉(いでゆ)」に向った。「曾良随行日記」によれば七月廿七日から八月五日まで、芭蕉は山中温泉に九泊十日も滞在している(その後もう一度小松へ戻っている)。
杖を置いたのは「泉屋久米助」方。今は泉屋のあったことを示す碑(↓)があるだけだが、すぐ前には古くからの湯元である「菊の湯」が見える。むかしはここが総湯(共同浴場)であり、内湯はなかったとのこと。
「菊の湯」の名は芭蕉のこの句によるものらしく、芭蕉さんの力にあらためて感服するのみ。

山中や菊はたをらぬ湯の匂ひ 

Kkdsc00716

この温泉地の東を流れる大聖寺川の渓流を芭蕉が散策したことは曽良の日記にも記されている。
温泉街の北の「黒谷橋」から河原に降り、遊歩道を南へ下がって「こおろぎ橋」まで歩いた。約1.3㎞。実は着いた日の夕方と翌日の早朝も散策したのだった。
渓流なので少しは涼しいだろうとの期待は見事に裏切られた。台風接近で北陸はここしばらく猛暑続き(昨日10日は小松が40℃を記録)。ただし苔マニアのひとにとっては、一日中歩いても飽きないだろうとは思った。素人ながら、苔の種類が豊富なのにはちょっと感動。もちろん青森の北入瀬や北八ヶ岳白駒池周辺の苔の森のような風景には及ばないけれども、温泉街から気軽に立ち寄ることができるし、その渓流美は変化に富んで趣があり好ましい。春や秋はひとでいっぱいかもしれない。

〇黒谷橋(大切な誰かと待ち合わせをしたい気分にさせる・・・(*'-')
Kkjdsc00732

〇遊歩道の始まり
 中央を登ると東山神社。右の芭蕉堂へ進むと渓流沿いの遊歩道。
 左に見えるランプはレトロカフェ「東山ボヌール」。
Kkhdsc00734

〇東山ボヌールさんで頂いた鶴仙渓の案内パンフ。
 左が「モジャモジャマップ」(苔など植物の情報マップ)
 右は「鶴仙渓ワンダーフォーゲル」(ガイドマップ)
Kkdsc01085

〇東山ボヌール →★HP
 レトロカフェ。元は旅館だったとか。
 この日は散策前に予約。「森のケーキ」でカフェ。2階席でよかった。
Kkdsc00737
Higashidsc00762

〇芭蕉堂(明治末の建立)
Kkkdsc00744

〇遊歩道
  苔、シダの種類が豊富で、こうした場所は珍しいとか。
Kksdsc00837
Kkodsc00773
Kkgdsc00791
Kkldsc00833

〇ゆるやかな流れや淵もあれば、急な瀬もあって変化を楽しめる。
Llpdsc00883Ll
Kkodsc00899
Jjjc0486t01
Kkldsc00889

〇あやとり橋(鉄橋)
Kkpdsc00907

〇川床が見える。
 山中温泉町出身の道場六三郎氏監修のロールケーキが出るとか。
Kikdsc00909

〇遊歩道から見上げた「こおろぎ橋」
 大昔、同名のTBSドラマでも有名になった。
Kkfdsc00872

〇こおろぎ橋(何度も付け替えられている総檜の美しい橋)
 でもわたくしとしましては、
 やはり黒谷橋の渋さに軍配を上げます\(^^ )
Kkidsc00864

忘れていたが、資料館「芭蕉の館」のことや句碑のことはまたいずれ。次回は「那谷寺」か。

 

|

« ミニベロ | トップページ | 岐阜空襲のB29搭乗員 »

旅行・写真・無線」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« ミニベロ | トップページ | 岐阜空襲のB29搭乗員 »