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2017年2月21日 (火)

HMS Spiteful P227

Spiteful 







     英軍潜水艦スパイトフル(HMS Spiteful P227)
       艦長の回想本(後日また触れる)の栞より

父の機帆船を襲った潜水艦を探し始めたのは2012年からだった。
手がかりは、父の遺稿と戦友会誌だけである。日本側の記録として残っていそうなのは、潜水艦を攻撃した日本機の所属部隊や戦闘詳報・電文などであるが、小さな出来事でもあり、途中で諦めてしまった。
むしろ連合国側の資料を確認した方が効率的かも知れないと考え、潜水艦の行動を素速く探すために、uboat.net のサイトで調べることにした。便利だったのは、日毎の潜水艦の行動やパトロールレポートの概要を見ることができたことである。しかし「シグリ沖」で6月末に活動していた潜水艦に該当するものはどうしても見出せなかった。ここまですでに2年が経過していた。

諦めようとしたころ、初歩的なことを疑ってみた。はたして船団は出港後2日ぐらいでシグリ沖に達することができるのだろうか、と。
考えてみればベラワンからシグリ沖までの距離は約500㎞ほどである。大発などの小型舟艇もあるのだから、昼夜全速で航行したとしてもそこまで到達するのは難しいかも知れないと考え始めた。また、経由地ロークスマウェには6月30日、当面の目的地であったオレレ港には7月3日到着だったという資料も見つかった。最初2日間、船団はかなりゆっくりと航行していた可能性があった。
そこで6月28日~30日にかけてのベラワン周辺の潜水艦情報を粘り強く調べてみたのである。するとある日、複数の潜水艦の中で、船団に「魚雷攻撃」と「艦砲射撃」をした潜水艦がついに見つかった。2015年が明けたころのことであった。

それは「スパイトフル(Spiteful)」という名の英軍潜水艦であり、当時の艦長はカナダ出身のフレデリック・シャーウッドであった。潜水艦は沈没していなかったのである。

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