英軍潜水艦の攻撃-その3-
父の連隊には次のような命令が下された。
岡方作命甲第二十号 第七方面軍命令 五月二十六日
一 第二十五軍司令官ハ其ノ指揮下ニ在ル船舶工兵第十聯隊主力ヲ第二十九軍司令官ノ指揮下ニ入ラシムヘシ 指揮転移ノ時機ハ六月一日零時トス
二 第二十九軍司令官ハ前項部隊ヲ以テ「アンダマン」、「ニコバル」地区ノ局地輸送ヲ強化スルト共ニ「アンダマン」地区ニ於ケル海上機動態勢ノ整備ニ努ムヘシ
三 暁指令所長ハ前項部隊所要ノ輸送ヲ処理スヘシ
この命令を受けた船工10は、約1か月の準備を経て船団を組み、6月28日(時刻不明)ベラワン港を出発し、スマトラ島北東沿岸を北上することになった。父は次のように回顧している。
≪この地域では唯一の船舶工兵連隊だった我々の部隊主力は、アンダマン海に向けて海上移動を開始した。1944(昭和19)年6月28日のことである。
大量の物資を輸送するための機帆船数隻、海軍の魚雷艇1隻、資材や兵員を乗せた大発十数隻の大船団であった。この時期敵の潜水艦攻撃は必至であったから、陸地が見える海岸沿いの沖合を常時警戒しながらゆっくり北上したのである。
昼間は友軍機2機がほぼ30分毎に哨戒していたようである。私は比較的大きな機帆船に乗って、主に甲板で見張りなどをしていたのである。≫
ところが出港直後、ある英軍潜水艦によって船団の動向はすでに把握されていたのであった。
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