連絡艇について
【2020年2月一部分加筆】
前回までの記事では、マレー半島で編成された陸海軍共同の部隊「連絡艇隊”櫻隊”」の概要を記した。
ところで、戦友会誌には、連絡艇の諸元と図が記されている。下記の図は私なりに描き直したものである。
全長 6m 全幅 1m50㎝ 全高 1m 吃水 30㎝ 速力 24節 自重 1000㎏
爆雷 100㎏×2 担ぎ上げる場合18名を要する 凌波性良し
先端の衝突棒が当たると爆雷が落下する
船体はチークべニヤ板の三枚張り
エンジンはトラックエンジン:シボレー フォード ビック クライスラー等
スクリューは真鍮製3枚羽根
戦時中、陸海軍それぞれが特攻艇をつくっている。海軍は「震洋」、陸軍は「四式肉薄攻撃艇:連絡艇、㋹(マルレ)」、父の戦友会誌では㋩(マルハチorマルハ)といわれた(戦史叢書等では「ハ」は漢数字の「八」とあり、陸海軍共同の部隊の場合の呼称と思われる)。
個別部隊の記録以外に、その全体を扱った公刊書籍は幾つかある。
『日本特攻艇戦史』 木俣滋郎 1998年 潮書房光人社(NF文庫もあり)
『陸軍水上特攻部隊全史』 奥本剛 2013年 潮書房光人社
『還らざる特攻艇』 益田善雄 霞出版社
昭和31年初版 昭和63年と平成17年に改訂版
陸軍に限れば、陸軍船舶特別幹部候補生(船舶特幹)と海上挺進隊関係者によってまとめられたものに、以下のものもある。
『㋹の戦史』陸軍水上特攻の記録 昭和47年 増補・改訂版 平成17年
前回触れた『還らざる特攻艇』以外には、マレー半島で編成された連絡艇隊についての記述はこれらの書籍にはない。
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