パトロール・レポート➂
パトロール・レポート(要約:付録図にある説明も含む)
6月30日
05:30
潜航。ペウレウラ・ポイント方面の陸地に接近。
06:43
船団発見。急速接近。船団掩護機は現れていない。
前日と同じ船を標的とするが、今日は船団の4隻目に位置していた。
08:35
艦砲射撃のため浮上。船団と併走し、標的の中央部を狙う。
射程距離7000ヤード。昨日魚雷攻撃に失敗した船に2発砲撃。
着弾未確認。レーダー要員から敵機接近の連絡あり。
ブリッジからも敵機確認。
同時に船団の中の大きな船からは、機関銃などによる激しい銃撃が
あったが、艦には届かず、弾幕だけが見えた。
08:36 1/2
潜航。爆雷攻撃に備える。
08:38
1分後、前方右方向のかなり近いところで爆発音1回。
コントロールルームで数個のライトが消え、少量の防水コークが剥落。
操舵不能。
08:39
さらにもう一度遠くで爆発音あり。さらに深い場所へ退避。
本艦への攻撃は以後なし。
19:49
浮上。
連日執拗に父の機帆船を狙っていたことがわかる。
父にとっては危機一髪の出来事だったが、相手側の潜水艦も爆雷攻撃の危機からかろうじて逃れることができたようである。
以上、2日間にわたる潜水艦からの攻撃を見てきた。潜水艦側の記録は、やはり父の記憶と合致するものであった。パトロール・レポートは、軍事用語も多く、翻訳は謎解きのような作業であった。まだ専門用語で理解できない言葉もあるが、攻撃の概要がわかったときは、ようやく父の記憶を共に分かち合うことができたという安堵感はあった。ただ、せめて父が生きている間に・・・という残念は消えていない。
次回は、潜水艦の艦長の回想記、連絡がとれたご子息について記す。
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