工兵第26連隊 (2)
「工兵第26連隊」の誕生は、1937(昭和12)年秋の満州派遣「第26師団」の編成が決定されたときであった。その背景には、日中間の戦争(支那事変)が本格的になり、大陸における日本軍の態勢を再構築する必要があったためだと考えられる。師団編成は概ね同年10月中に完結した(『第二十六師團編成詳報』等)。
「第26師団」は、当時北支に出動中の「独立混成第11旅団」を母体とし、その「改變」によって成立したものであった。独混11は、事変勃発前は熱河省承徳に駐屯していたが、事変勃発後は北平(北京)付近に進出し、さらに平緩線沿線(南口、八達嶺など)の戦闘に参加し、主要部隊は山西省「大同」へ進駐した。師団編成はその戦闘の最中に実施されたのである。
「工兵第26連隊」は大同にあった「独立工兵第11中隊」をもとに編成されたが、その独工11の母体は、東京赤羽にあった近衛工兵大隊(連隊)である。
1940(昭和15)年12月、父は豊橋の「工兵第3連隊(ここに工兵第26連隊の留守部隊があった)」に志願兵として1週間入営し、基礎的訓練を経た後、大同の「工兵第26連隊」へ入隊したのである。だが1年後、米英との戦争が始まるとともに次々に部隊改編が行われ、父をはじめ工26の要員も各地・各部隊に分散してゆくのである。
◎「第26師団」(1937年編成当時)
師団司令部(師団長 中将 後宮 淳)
歩兵団(歩兵団司令部、独立歩兵第11連隊、
独立歩兵第12連隊、独立歩兵第13連隊)、
第26師団捜索隊、独立野砲兵第11連隊、
工兵第26連隊、師団通信隊、
輜重兵第26連隊など(一部略)
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