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2018年7月 8日 (日)

参考文献等-その2-

今回は戦友会誌と所属連隊、作戦等に関する文献です。

●戦友会誌及び父の所属した連隊に関する文献
  ① 船舶工兵第10連隊の戦友会誌
  ⑴ 「暁 -船舶工兵第十聯隊200人の實證- 暁第9422部隊」全8巻
  ⑵ 「暁 戦友会誌」1~40号(ただし、1~12号は合本)
  ⑶ 「戦友往来 暁」1~10号
   
これらのうち幾つかは、国立国会図書館、奈良県立図書情報館、
    靖國神社靖國偕行文庫に寄贈されている(ただし⑴~⑶すべて
    がそれぞれの図書館に揃っているわけではない。

  ② 「智信仁の葉隠武士 横尾紋太郎追悼記」 島田雄一編 1999年
    
船舶工兵第10連隊最後の連隊長の追悼記本(私家版)

●父の所属連隊に関する作戦等についての文献
  ③ 「戦史叢書90 支那事変陸軍作戦⑶」 防衛庁防衛研修所 1975年
    
工兵第26連隊に関する作戦について
  ④ 「戦史叢書92 南西方面陸軍作戦」    防衛庁防衛研修所 1976年
    
船舶工兵第10連隊のアンダマン諸島方面への移駐作戦(1944年)
  及び船工10からも要員が派遣された連絡艇隊の編成等について記
  されている

●その他
 ⑤ 「リババレー演芸史 想い出は星の如くに」
                                          栗田まさみ 新泉社 1970年
   
父も派遣されたシンガポールのリババレー収容所における
         演芸場設営とその運営に関する回想記。父もこの演芸場設
         営に関わった。

 ⑥ 「兵士たちの戦後史」吉田 裕 岩波書店 2011年
   
船舶工兵第10連隊の戦友会誌の記述にも言及しているが、戦後の
   社会を生きた兵士たちの心情や戦友会のあり方について考えさせ
   られる。

①の各冊子は船工10所属の将兵の寄稿が中心ですが、他部隊に転じた人たちや、かつて所属した中国大陸での部隊に関することも含めて幅広い内容をもったものになっています。かなり長期にわたって編集され発刊された戦友会誌であり、その質・量ともに他の戦友会誌に比べても劣らないものと思います。

とりわけ敗戦後の収容所生活についても多くの回想記が寄せられ、英連邦軍管轄下の抑留者の実態を知るうえで貴重な記録になっていますが、その背景にはこの連隊が大きな作戦の犠牲にならず、帰還者が多くいたことも幸いしたものと考えられます。それにしても戦後彼らが体験を語り、記録し始めたのは、1980年代になってからであり、多くは60代になってからでした。それでもかなりの復員兵は戦後沈黙を守ったままだったのです。事実この戦友会誌に寄稿した人たちも大半が士官クラスや下士官であった方が多く、在隊期間の短かかった多くの兵士の方は戦友会にも出ていなかったのです。沈黙した兵士についても目を向ける必要がありそうです。

なお⑥には船工10の戦友会誌からも引用があり、それだけに身近に感じた文献のひとつになりましたが、これについてはあらためて感想を書きたいと思います。

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